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第4回 退去のリフォーム代は誰の負担?社会問題化されてきた原状回復

 安定した賃貸経営をしていくためには、入居者が退去した後のお部屋のリフォームは欠かせません。部屋の中は、常に新築状態を保って新しい入居者を少しでも早く確保しなければなりません。

 一昔前はそんな入居者が汚したり壊したりした箇所以外の退去時リフォームもすべて入居者に負担させることが当たり前のように行われていました。正に貸手市場、家主様にとっては負担をかけずに自分の建物のリフォームができるというありがたい時代でした。

 しかし空室が多く借手市場となった今ではそんな常識は通用しません。ところがそんなよき時代を引きずっている家主様も結構おいでになって、あちらこちらで退去時のリフォームトラブル(原状回復トラブル)が後を絶ちません。考えてみればアパートにしてもマンションにしても貸室という商品を少しでも高く質の良いお客様に提供し、賃料という対価を戴くのが賃貸経営ですから、商品を提供する側がリフォームを行うのが消費社会の常識と言えるでしょう。ホテルに泊まったお客がチェックアウトの際、部屋の掃除代やクロスの張替え代を請求されたのではたまったものではありませんから。    

 この原状回復については平成13年4月の消費者契約法制定や少額訴訟手続き施行により近年裁判に持ち込まれるケースが増えています。裁判所の見解は「原状回復とは建物の通常損耗を元に回復することではなく、借手が故意や過失で生じさせた劣化のみを回復すること。建物の通常損耗分は貸主が受取る賃料に含まれている。」と結論付けています。国土交通省もこれに沿ってガイドラインを作成しています。争いになれば家主様に勝ち目はありません。

 争い事になれば時間も費用も掛かり、結局は何の得にもなりません。時代の流れを的確に捉え、常に建物を綺麗な状態に保ち、入居者を迎え入れる、それが安定経営の秘訣です。

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